劣化

昨日、自分の額の生え際が自分で把握していたよりも後退していたことにある日気づいた、という夢を見ました。

夢の中で生え際は半ば頭頂部に差し掛かっていて、ああこれ、よくあるハゲの表現そのままじゃん、ハンターのセンリツじゃん、と思って凹んだけれど、だからと言ってなんだろう、なんで凹むんだろう、とも夢の中で考えていました。

恋愛市場や社会人の最前線からは遠ざかって久しく、これから自分の外見を気にしなければならない場面などそうあるはずはなく、気にしなければいけないとすれば人生を一緒に歩む伴侶に老いさらばえてゆく姿を見せてしまうことくらいか、と思うけれどそれは伴侶のことを信用していればもうそれでよいのではないか。

それでも気を病むのは他人に外見でよく思われたいと今でも僕自身が思っているだけだと考えると、じゃあもう、それを手放せばいいんじゃないの?それを手放しても僕を取り巻く色々はもう変わらないよ?と。

それで納得できるならそれは自分の老いを正しく受け入れた瞬間となり、人はこんなふうに老人というカテゴリに足を踏み入れていき、ちゃんと枯れることでまたなにか新たな醍醐味が生まれていくのかな、なんて考える。

目を覚ますと僕の容姿は昨日までと変わりなく、とはいえ往時に比べれば実際けっこうキてはいるけど、それでも頭頂部までは薄くなっていないことにやっぱり安堵しました。

僕がちゃんと枯れることができるのはまだまだ先のことみたいです。