一期一会

大阪で仕事の分野の勉強会があって、それにかこつけて大阪在住、または滞在中の知り合いに会おうかと大阪旅行を企て、今もまだ大阪にいて、今夜帰ります。

他のエントリーで書いたとおり、ドタキャンを食らったりしてそのダメージも多少あったものの、結果としては4泊中3夜を知人と食事することができて、そのうち一晩はオールでカラオケ(の部屋でずっと喋ってた)という贅沢な結果となりました。

オールの人は以前書いた離島でご一緒した女性で、ああいうことがあったあとにこちらから声をかけるのはどうかなと思ったし、旅先でのことと日常は区別したいかなとも思ったんだけど、でも、下心抜きでも僕はまた会いたかったのでお声がけしてみたら全然乗り気で時間をとってくれて、土曜の午後から日曜の朝までビッチリと一緒に過ごす結果となりました。

念の為書いておくと色っぽい方向の出来事は全く無く、ご飯食べて、水族館行って、ご飯食べて、カラオケボックスで夜明かし、その間ずっとずっと喋り続けていました。

彼女にとって僕としゃべるのは楽しい機会とのことで、彼女が普段から考えている、年齢や置かれた状況についての色んなことをひたすら聞いて、それに何か返し続ける千本ノック形式。

相談女子の定型句の「聞いてくれるだけでいいんです」を、笑いながら揶揄も込めつつ言われたりして。

旅先でのことと日常は区別したいのではないか、そして旅先で起こったことを考慮すると僕と再び会うのは抵抗があるのではないかと考えて、今回の関西行きにあたり彼女に声をかけることを迷ったと伝えると、

「石垣島で最後に分かれるとき私が『またいつか』って言ったの聞いてました?憶えてます?そのいつかがちょっと早かったな、とは思ってますけど、私はほんとにまた会うつもりでしたよ」

と、それを僕が信じてなかったことを責めるように言います。

「一期一会ってどういう意味ですか?」

という問いに、一生に一度しか会えないくらいの気持ちで、会った人を大事にしなさいってことだと答えると、

「一生に一度しか会わないってことかと思ってました笑」

と笑います。

彼女自身は自分のことを、万人受けするタイプではないし扱いにくい人間だと思われていると思うと言い、実際話しているとそれは感じることはあるけれど、でもそれゆえにこちらを信用してもらったと感じた瞬間の嬉しさは強くて、それ全部含めて僕はとても魅力的だと思います。

それを彼女に言うと、彼女は

「よく言われます。野生動物がなつく感じって」

と言うので、僕にはなついているのか?と問い返すと

「めっちゃなついてますよ!?」

なんて言ってくるから、段々とついついずっと一緒にいたくなってしまいます。

でもそれは僕のほうから言っていいことではない気がするからその気持ちは無いことにして、終電近く、解散しようとしたときに彼女の方から

「どうします?もう少し話します?もう少し話したくないですか?!」

と言ってきました。僕もそう思ってたけどいいんですか?と言うと

「全然いいですよ。女同士で話しててもうわべだけで、全然話してる感じしないし、私のほうこそ聞いてもらって発散したいんです!」

ということでカラオケボックスにオールでチェックインして、ときどき歌って、休んで、とにかくずっと話をして、気づくと朝になり、店を出たら少し歩いて、それぞれの駅に向かって分かれる道で、さりげなく、じゃあまたと言って別れました。

考えると僕は、人を信用するのに時間がかかるんだなと。今なら、彼女が僕と居て楽しいということを素直に信じられています。

来年暖かくなったら、彼女はまた南の海で泳ぎたいと話しています。そのときに彼氏ができていなかったら行くときは連絡しますと。

僕のほうは年明けから普通のサラリーマンに戻ることになったので、また合わせて都合をつけられるかはわからないと言うと、「有給とかあるし、大丈夫じゃないですか?」と彼女は言います。

そんなこと言われると、ほんとにまた一緒に旅したいと思ってくれてるんだな、僕との先日の旅を、ほんとに楽しいと思ってくれていたんだな、とすごく嬉しくなります。

また関西に来ることがあれば連絡するという約束もしたし。僕もまた彼女に会えることを密かな楽しみにして、また日常を送ろうと思います。

僕の願いは、強く願うと絶対にかなわない傾向を持っているので、僕がそれを願えば彼女に彼氏や結婚相手が現れて、今抱える問題は解消される確率も上がるんじゃないかという気もするし。

今回、一番大きく楽しみにしていた予定を直前でキャンセルされ、またそのやりとりでその相手ともつながりを切るというそこそこの事件もあって、大阪に着いた当初はモチベーションが下がっていたんですが、こうして別の方から楽しい気持ちをもらうことができました。

こうして色んな人から楽しい気持ちを少しずつたくさんもらいながら、なんとなくバランスとりながら、連綿と人生は続いていくんだろうな、と思います。

色んな人から、生かされてるなと感じます。

皆さん、ありがとうございます。