相談おじさん

僕は色々と悩みを打ち明けやすい人間みたいで、相談をよくされます。

相談者に女性が多いのはきっと、男性の生々しい意見が聞けることや、すごく踏み込んだところまで異性として赤裸々に話すけど異性としての関係性を求められない、というところがすごく楽なんだろうなと自己分析しています。

相手が若くてキレイな女性だった場合に下心なんて無いわけがないけど、でも、最優先すべき目的はそこではないのでとりあえずそういうのには自分で目をつむります。

女性が相談者の場合は9割方恋愛や夫婦の悩みで、話を聞いた限りでは9割方相手がクズなことが多いです。

正直な気持ちとして、僕に相談ごとを持ちかけてくる女性がみんなちゃんと幸せになってくれればいいと思っているし、実際幸せになってくれたらとても嬉しいから、一生懸命考えて、でも、別に女性が解決法なんて求めてるわけでもないことも知っているからほどほどに、自分はこう思うけどね、と伝えます。

その受け答えはまあまあ的を射ていることもあり、目から鱗感を持って帰る人も少なくないです。あくまでも話した段階では。

でも大抵はダメ男のところに帰ったとたんにリセットされて、次に会ったときにはまた同じ地点から相談が始まり、しばらく話して、また同じ結論を持って帰り、そしてまた巻き戻った状態で僕の前に戻ってきます。

最後は結局みんなダメ男を好きだと言って、僕の言ってることはわかるしそうしたいけど、でも好きだからもうどうしようもない、という結論になることが多く、なにか決定的な事件でも起きない限り相談は無限に続きます。子供ができて結婚とか、男側から捨てられるとか。

それでも付き合っている間その人が幸せと感じ、自らそれを選ぶならいいじゃん大人なんだし、とも思います。

でも実際は自らそれを選んでいるとも言い難いところもあって、半ば洗脳に近いと感じることもあります。いや近いというか、上下関係のある恋愛って洗脳と変わらないと思います。いや洗脳というよりは共依存とかが近いのかな。

それでも関係者でもなく、カウンセラーでもない単なる相談おじさんの僕には結局どうしようもなくて、もやもやすることは多いです。


今一人その無限ループが続いてる女性が居て、自分の都合でときどき僕に独白を投げつけてきて、僕はそれになんらかのリアクションを返す日々が数ヶ月続いています。

彼女は遠くに住んでるからそんなに頻繁ではないけれど、会える機会があれば直接会って直接話すこともあります。

長い時間カウンセリングのように話して、決心して帰って、でも結局別れられない、というのを無限に繰り返しています。

そうなると僕はなんの役にも立っていないからときどきなんだか嫌になってさりげなく距離を置きます。

でも距離を置くと彼女のほうから少し距離を詰めてきます。

来週、彼女の地元に近いとこに軽い旅行に行くのですが、それをインスタに書いたら隣県から車で来て二日かけて現地をガイドしてくれると言ってくれました。

それならとそれを組み込んだ予定にしていたら、今週になってやっぱり1日でいいかと言い出しました。「予定が入った」と。

ああ、僕と相談して決めた予定だと思っていたものは彼女にとって予定ですらなかったんだ、とその時気づきました。

組んでいた予定は1日で回れるものでもなく変更を余儀なくされ、さらに残った1日の日の夜にまた別の予定が入ったから結局終日バタバタになると言い出しました。

色々と煩わされるのももうめんどくさいのでじゃあ一旦予定自体白紙にしましょうかと話すと、私の勝手ですみません、でもそれがいいと実は私も思ってました、なんて言って、結局旅行の中心に据えていた車での観光プラン二日分が、来週に控えた今の時点でぽっかりとなくなってしまいました。

書いてるとなんだかまた腹が立ってきてつい悪く書こうとしてしまうんだけど、それがやりたいわけではなくて、なんというかこう、自分が役に立ちたい気持ちと、自分の扱いの軽さのギャップに凹む気持ちを言語化したくて書き出したんですが、どうもまとまらない。

そもそも彼女から会いたいと言い出して、会えると嬉しいとか、またゆっくり話せて嬉しいとかガンガンに来てたんだけど、それはとにかく自分の話を聞いてほしいだけだったんだなということを再認識しました。

他人の他県への旅行の予定の中に自分との時間をあけさせておいて、男との予定が入ったら、それをすっぽかすのに全くためらわれないというこのなんとも不思議な僕の立ち位置がなんかもうよくわからない。

それでも彼女から相談と言う名目の愚痴が届いたら結局一生懸命返事を書いて、親身になってくれて嬉しいという返しをもらって満足してしまう僕は、お人好しというか、なんか都合のいい相手なんだろうなという話です。

相談と称して送られてくるそれも、穴をほって叫ぶのとなんら変わらない。僕は結局彼女に都合のいいときだけ癒やしに使われる、いわば心のセフレのようなものなのかもしれないです。

ならいっそブロックしてしまおうかと考えるけど、それをすると彼女が悲しいのかもしれない、と思うとそれもできず。

都合のいい相手まっしぐらです。

とりとめがなくてすみません。